付き合いのある広告代理店や制作会社から「SEOもうちでやれますよ」と言われ、そのまま頼んでよいか迷っていませんか。SEO代理店の中には、自社で記事を書いて分析もする会社と、別のSEO会社に作業を任せて窓口と請求だけを持つ会社があります。どちらなのかは、社名や提案書を見ても分かりません。
作業を任せる形のひとつがOEMです。販売元のピーバイエスは代理店募集のページで、多くの代理店が自社の定価の1.2〜2倍で売っていると書いています。同じ作業でも、どこから買うかで払う額が変わるということです。
再委託そのものが悪いわけではありません。困るのは、作業する人と話せないまま月額を払い続けることと、解約したときに分析ツールの権限が手元に残らないことです。この記事では、SEO代理店の3つの形と費用の流れ、契約前に作業する会社を確かめる5つの質問をまとめました。手元の提案書を横に置いて読んでみてください。
SEO代理店には、自社で作業する会社と他社に流す会社の3種類がある
SEO代理店とは、SEO対策を自社のサービスとして売る会社のことです。作業まで自社でする会社、別のSEO会社を紹介するだけの会社、別の会社の作業を自社の商品として売る会社(OEM)の3種類があり、どれも「SEO対応しています」と名乗れます。
| 形 | 打ち合わせの相手 | 実際に作業する会社 | 請求する会社 |
|---|---|---|---|
| 自社で作業する | 契約した会社 | 契約した会社 | 契約した会社 |
| 紹介 | 最初だけ紹介元、契約後は作業する会社 | 紹介された会社 | 紹介された会社 |
| OEM(再販) | 契約した代理店 | 名前の出ない別の会社 | 契約した代理店 |
紹介は、契約が作業する会社と直接結ばれるので、発注する側から見ると直接頼むのとほぼ同じです。紹介元には報酬が入ります。名古屋のSEO会社プラスイーは、紹介した会社に請求額の10%を払うと公表しています(代理店募集)。
見えにくいのはOEMです。ピーバイエスは「SEOをピーバイエス名称を出さずに、自社サービスとして提供することが可能」と書いています(SEOコンサルティング OEMパートナー)。クロスウォークも、OEMの代理店は「自社ブランドとして」売れるとしています(SEO代理店・OEMパートナー募集)。発注した側は、どの会社が作業しているかを知らないまま契約することになります。

3種類のどれに頼むかより先に、自社がどの仕事を外注するのかを決めておくと、提案を比べやすくなります。考える順番はSEO会社の選び方は自社に足りない仕事から決めるにまとめました。
OEMのSEOは、作業する会社の定価の1.2〜2倍で売られている
OEMで売られるSEOは、作業する会社の定価より高くなるのが普通です。ピーバイエスは「多くのOEMパートナー様が定価の1.2〜2倍の価格で販売されてます」と書いています。定価が月30,000円のサービスなら、代理店から買うと月36,000〜60,000円です。
代理店が仕入れる値段も公開されています。クロスウォークは、OEMの卸価格を「クロスウォーク定価70%」としています(サービスによって異なるという注記つき)。定価どおりに売っても、代理店の手元には3割が残る計算です。
この差額は、代理店が何もせずに取っているお金ではありません。ピーバイエスは代理店の仕事として、キーワードの選定と提案、ウェブサイトの調査、順位についての問い合わせ対応、料金の回収を挙げています。打ち合わせから請求までを1社で済ませたいなら、そのための費用だと考えれば筋は通ります。
気をつけたいのは、OEMで出回っているSEOに成果報酬型が多いことです。ピーバイエスも「毎月の成果報酬料金を卸価格でご提供」と書いています。成果報酬型は、指定した数語の順位が条件になっていて、問い合わせが増えたかどうかは見ません。この料金の決め方の注意点は、SEOコンサルティングで何をしてもらえるかに書きました。

代理店を通さずに直接頼んだ場合の相場そのものは、SEO対策の費用相場で施策別に整理しました。
広告代理店にSEOも頼む利点は、窓口と請求が1つになること
広告代理店にSEOをまとめて頼む利点は、リスティング広告とSEOの数字を同じ担当者が見て、打ち合わせも請求も1社で済むことです。広告で問い合わせにつながったキーワードを、そのまま記事のテーマに回せます。StockSunも、広告代理店に頼む利点として、SEOと広告とSNSを合わせた戦略を立てられることを挙げています(SEO対策に強い広告代理店)。
社内の担当者が1人で、広告もSEOも兼務している会社なら、窓口が1つになるだけで手間はかなり減ります。毎月2社と打ち合わせをして、それぞれのレポートを読み比べるのは、それだけで半日仕事です。
ただし、利点が出るのは広告とSEOの数字を本当に同じ人が見ている場合だけです。SEOの作業がOEMで外に出ているなら、広告の担当者とSEOの作業者は別の会社にいます。「広告で当たった語を記事に回す」には、代理店の中で伝言が1回増える形です。頼む前に、SEOの作業も社内の人がやっているのかを聞いておくと、利点が本当にあるかが分かります。
再委託で困るのは、取材の伝言と解約時のアカウントの引き渡し
SEOの作業が再委託されていて困るのは、作業する人と直接話せないことと、解約したときに分析ツールやサイトの権限が自社に残らないことです。どちらも契約中は気づきにくく、成果が出ないときや契約を見直すときに表に出ます。
ひとつ目は伝言です。ピーバイエスは「OEMパートナー様のお客様への直接サポート等は出来ません」と書いています。発注した側が話せるのは代理店の担当者だけ、ということです。SEO記事で他社と差がつくのは、自社の数字や現場で使っている判断基準のような、社内にしかない情報です。それを代理店の担当者に話し、担当者が作業する会社に伝え、作業者が文章にする。間に1社入るたびに、細かいニュアンスは落ちていきます。
ふたつ目はアカウントの名義です。Googleのヘルプによると、Search Consoleで「別のユーザーを追加または削除するには、プロパティの所有者である必要があります」(所有者、ユーザー、権限の管理)。代理店が所有者として登録し、自社はユーザーとして閲覧させてもらっているだけだと、解約したときに代理店の側で自社の権限を外せてしまいます。GA4やWordPressの管理者も同じです。何年分もの検索データを、解約と同時に見られなくなることがあります。

みっつ目は、何をしているかが見えないことです。作業する会社が分からなければ、その会社が被リンクの購入のような手を使っていても確かめようがありません。Googleは公式ページで、注意すべき業者として「隠し立てする会社や、行動の目的を明確に説明しない会社」を挙げています(SEO 業者の利用を検討する)。
作業する会社は、契約前の5つの質問で見分けられる
作業する会社が自社か他社かは、契約前に次の5つを聞けばほぼ分かります。答えをはぐらかされたら、再委託しているか、作業する人を固定していない可能性が高いと考えてください。
- 実際に作業するのは、どの会社のどの担当者ですか(社名と担当者の役割まで聞きます)
- 作業する担当者と、直接やり取りできますか(取材や修正の依頼を、伝言なしで届けられるかが分かります)
- 毎月、サイトに加えた変更と施策を全部報告してもらえますか(何をしたか分からないと、良し悪しを判断できません)
- Search Console・GA4・WordPressの所有者や管理者を、自社の名義で持てますか(代理店はユーザーや編集者として追加してもらう形が安全です)
- 解約したとき、記事とデータとアカウントは自社に残りますか(記事の著作権の帰属も、この質問で一緒に確かめます)
答えの良し悪しは、次の表で判断できます。
| 質問 | 安心できる答え | 気をつけたい答え |
|---|---|---|
| 1. 誰が作業するか | 社名と担当者の役割を答えられる | 「提携先です」「専門チームです」で止まる |
| 2. 直接話せるか | 作業者が打ち合わせやチャットに入る | すべて営業担当を通す |
| 3. 施策の報告 | 変更したページと理由が毎月届く | 順位の一覧だけが届く |
| 4. アカウントの名義 | 自社が所有者、代理店はユーザー | 代理店のアカウントで作り、閲覧だけ許可 |
| 5. 解約時 | 記事・データ・権限がそのまま残る | 記事の削除やサイトの返却を求められる |
5つすべてに安心できる答えが返ってくるなら、紹介でもOEMでも、自社で作業する会社でも、契約してから困ることは少ないはずです。費用と契約期間の確かめ方はSEOコンサルティングで何をしてもらえるか、記事制作を頼むときの確認点はコンテンツマーケティング会社に発注する前に確認する4点にまとめています。
オファシムはSEO記事を社員が書き、再委託していない
株式会社オファシムは、福井の会社で、SEO記事の制作とSEO継続支援を社員が担当しています。作業を別の会社に再委託していないので、打ち合わせをする会社と作業する会社が同じです。2017年の創業から月30本以上の記事を書き続け、制作した記事は累計1,000本を超えました。
SEO記事制作は1本55,000円(税込)で、次の6工程が入っています。
- キーワードの選定と検索意図の調査
- そのキーワードで上位に出ているページを全部読んだうえでの構成案づくり
- ヒアリングと取材で一次情報を入れる
- 執筆・編集と、SEOディレクターによる二重チェック
- 画像の選定、alt・タイトル・ディスクリプションの設計
- WordPressへの入稿と、公開後の順位確認
まとめて発注しても割引はなく、本数の縛りもありません。公開後の手入れを頼むSEO継続支援は、ベーシック月33,000円・スタンダード月88,000円・グロース月165,000円の3プランで、初期費用は0円、最低契約期間はありません。納品した記事の著作権は、すべてクライアントに帰属します。進捗はチャットで共有しています。
記事を自社で書く体制を作りたい会社には、社内のライターを育てる支援もしています。進め方はSEOライティングのインハウス指導に書きました。記事1本の費用がどう決まるかはSEO記事作成の費用相場にまとめています。

SEO代理店を選ぶときは、最初に「誰が作業するか」を聞く
SEO代理店を選ぶときは、料金や実績より先に「実際に作業するのはどこの誰ですか」と聞いてください。この1問で、紹介なのか、OEMなのか、自社で作業する会社なのかが分かります。そのうえで、Search Consoleなどの所有者を自社の名義にしておけば、どこに頼んでも解約で困ることはありません。
いま契約しているSEOの成果が見えない場合は、まず自社のSearch Consoleに誰が所有者として登録されているかを見てください。オファシムの無料の「検索&AI流入 診断」では、流入しているキーワードの一覧、GA4で見たAIからの流入、ChatGPTとPerplexityに3問投げた結果を、申し込みから約1週間でお渡しします。今のSEOが何を生んでいるのかを数字で確かめてから、続けるか見直すかを決められます。



