インスタの世界観を統一したいと考えて、色を絞り、フィルターを揃えても、プロフィールを開いた人に何のアカウントかが伝わらないことがあります。見た目は揃っていても、並んでいる投稿の中身が揃っていないからです。
オファシムがSNS運用の相談でアカウントを見ると、多いのは日常の写真を順に載せているだけのアカウントです。どの投稿も1枚目が写真のままなので、何の投稿かがひと目で分かりません。止まっていたアカウントの世界観を作り直したときは、プロフィールのグリッドの縦3列に「商品紹介」「困りごとへの答え」「会社・事業紹介」を割り当て、写真中心の投稿を、ひと目で内容が分かるデザインの画像に替えました。決めた順番で更新を続けて、半年でフォロワーは2.5倍になっています。
世界観を揃える手順は3つです。色とフォントをウェブサイトとロゴから決める、1枚目の画像を作ってすり合わせる、縦の3列にカテゴリーを決めて順番どおりに投稿する。3つ目は、順番を1本でも崩すと古い投稿の列が全部ずれるので、崩れる操作もあわせて書きました。
インスタの世界観は、何のアカウントかが投稿の並びで伝わる状態
インスタの世界観とは、プロフィールを開いた人が、並んだ投稿を見ただけで「何のアカウントで、自分に何が得られるか」が分かる状態のことです。色やフォントを揃えるのはそのための手段で、揃えること自体が目的ではありません。
世界観を作るときに決めるのは、次の4つです。
| 決めるもの | 中身 | 揃っていないと起きること |
|---|---|---|
| 色 | 投稿画像のベースの色と、強調に使う色 | 投稿ごとに印象が変わり、同じ会社の投稿に見えない |
| フォント | 1枚目の画像に入れる文字の書体 | 文字の入った投稿が、毎回別のお店のチラシに見える |
| 1枚目の作り方 | 写真だけにするか、タイトルを入れたデザインにするか | 何の投稿かが分からず、指が止まらない |
| 投稿の並び | グリッドの縦3列に、どのカテゴリーを置くか | 何を発信しているアカウントかがプロフィールから読み取れない |
よく似た言葉に「トンマナ(トーン&マナーの略)」があります。トンマナは色や書体、言葉づかいの決まりごとで、世界観はその決まりごとで作られた全体の印象のこと。表でいえば、上の3つがトンマナ、4つ目の投稿の並びまで含めたものが世界観です。
世界観は、何を投稿するかが決まってから揃えます。順番は、ペルソナ、コンセプト、世界観です。コンセプトが無いまま見た目だけ揃えると、きれいでも何のアカウントか分からなくなります。コンセプトの決め方はインスタ運用のコンセプト設計に書きました。
世界観が崩れたアカウントの多くは、日常写真を並べた日常報告
オファシムがSNSアカウントの診断や運用の引き継ぎで見るアカウントのうち、世界観が崩れているものには共通点があります。いちばん多いのは、日常の写真を投稿しているだけで、ただの日常報告になっているアカウントです。
ほかに目立つのは次の3つです。
| よくある状態 | 見た人に起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 日常の写真を順に投稿している | 社内の人には楽しくても、知らない人には自分に関係のない投稿に見える | 投稿のカテゴリーを決め、見る人の役に立つ中身を入れる |
| 1枚目を作り込んでいない | 写真だけなので、何の投稿かがひと目で分からない | 1枚目にタイトルを入れたデザインの画像を使う |
| 写真が暗いまま投稿されている | フィードで流れていくだけで、指が止まらない | 明るさを上げてから使う。明るく撮れる場所で撮る |
| 投稿のカテゴリーが決まっていない | 毎回違う話題が並び、何のアカウントかが分からない | グリッドの縦3列にカテゴリーを割り当てる |
4つとも、色やフィルターを揃えるだけでは直りません。世界観が崩れて見える原因の多くは、見た目より先に「1枚目の作り方」と「投稿の並び」が決まっていないことにあります。

色とフォントは、ウェブサイトとロゴから決める
オファシムは、クライアントの世界観を揃えるときの色とフォントを、その会社のウェブサイトとロゴから決めています。インスタのためだけに新しい色を作ることはしません。
理由は、インスタを見た人の多くが、次にウェブサイトや店舗に来るからです。インスタはベージュとくすみピンクなのに、ウェブサイトは紺と白、看板は赤。これでは、インスタで見た会社と同じ会社だと感じてもらえません。ロゴと同じ色、ウェブサイトの見出しと同じ系統のフォントを使えば、インスタから来た人がサイトに移っても印象がつながります。
決め方は次の順番です。
- ロゴの色を拾う:ロゴに使われている色を、強調に使う色にします。ロゴが1色なら、その色だけで構いません
- ウェブサイトの背景と文字の色を拾う:投稿画像のベースの色は、ウェブサイトの背景や帯の色から取ります
- ウェブサイトの見出しの書体に近いフォントを選ぶ:明朝系のサイトなら明朝系、ゴシック系ならゴシック系にそろえます
- ロゴもサイトも無い場合:店舗の看板、名刺、パンフレットなど、お客様がすでに目にしているものから拾います
1枚目の画像は、作ってからすり合わせを重ねて決める
色とフォントが決まったら、オファシムは最初の投稿の1枚目の画像を実際に作り、クライアントとすり合わせを重ねます。色見本やフォント名を並べた資料だけで合意するより、完成した1枚を見てもらうほうが、意見が具体的になるからです。
1枚目は、フィードで流れてきたときと、プロフィールのグリッドに並んだときに見られる画像です。ここで何の投稿かが分からなければ、2枚目以降は読まれません。そのため、1枚目には写真だけでなく、投稿の中身が分かるタイトルを入れたデザインの画像を使います。
すり合わせで見てもらうのは、主に次の4点です。
| 確かめること | 見るところ |
|---|---|
| 会社の印象と合っているか | 色の使い方が、ロゴやウェブサイトから受ける印象とずれていないか |
| タイトルが読めるか | スマホの画面で、文字の大きさと太さが足りているか |
| グリッドで切れないか | プロフィールの縦長の枠に縮んだときに、タイトルが上下で切れていないか |
| 続けて作れるか | 写真を差し替え、タイトルを書き換えるだけで、次の投稿も作れるか |
3つ目は、プロフィールのグリッドが縦4・横3の縦長の枠で表示されるためです。投稿画像の縦横比が枠と違うと、上下か左右が切れて表示されます(Buffer「Instagram Post Size Guide」)。タイトルは画像の中央寄りに置くと安全です。
4つ目が抜けると、1枚目だけ凝ったデザインになり、2本目から同じものが作れなくなります。合意した1枚目は、そのままテンプレートとして使い回せる形で残すのが前提です。写真を使う場合も、暗いまま使わず、明るさを上げてから入れます。

プロフィールのグリッドは、縦の3列にカテゴリーを決めると揃う
インスタのプロフィールは、投稿が横3つずつ並ぶグリッドで表示されます。オファシムは、この縦の3列それぞれにカテゴリーを割り当て、縦に同じカテゴリーの投稿が並ぶように作ります。プロフィールを開いた人が、列を見るだけで何を発信しているアカウントかを読み取れる並びです。
サービスページで紹介している事例では、運用が止まっていたアカウントを投稿代行プランで再開するときに、この3列で作り直しました。
| 列 | カテゴリー | 中身 |
|---|---|---|
| 1列目 | 商品紹介 | 扱っている商品やサービスの紹介 |
| 2列目 | 困りごとへの答え | お客様の困りごとに対する答え |
| 3列目 | 会社・事業紹介 | どんな会社で、どんな人が働いているか |
それまでは写真中心の投稿でしたが、デザインした画像に替え、1枚目を見ただけで内容が分かるようにしました。3つのカテゴリーをそれぞれ週ごとに更新する形に変え、半年でフォロワーは2.5倍になり、来店したお客様から「Instagramを見て」と言われることも増えています。
3列を保つには、カテゴリーの順番を崩さずに投稿する
グリッドは新しい投稿が左上に入り、それまでの投稿が1つずつ右へずれていきます。そのため、縦の列を揃えるには、3つのカテゴリーを「商品紹介、困りごとへの答え、会社・事業紹介」の順番で、1本ずつ順に投稿します。順番さえ守れば、週1投稿でも縦の列は同じカテゴリーのまま。投稿した直後は、どのカテゴリーが左の列に来るかが入れ替わりますが、3本で一巡すると元の並びに戻ります。
次のことをすると、それより古い投稿の列がずれます。
- 同じカテゴリーを2本続けて投稿する
- 途中の投稿を削除する、またはアーカイブする
- 投稿を1件か2件だけプロフィールの上部に固定する
- リールをグリッドに表示しているのに、3列の順番に数えていない
固定した投稿は元の位置から抜けて上部に移り、固定を外すと元の位置に戻ります。固定できるのは最大3件です(Instagramヘルプセンター)。続けて投稿した3本(3つのカテゴリーが1本ずつ)をまとめて固定すれば、抜けるのがちょうど1段分になるので、下の列は崩れません。
リールもグリッドに表示するなら、3列のどのカテゴリーとして出すかを決めてから投稿します。ストーリーズはグリッドに並ばないので、順番には数えません。

コンセプト設計で投稿テーマを4種類に分けた場合も、グリッドに並べるときは3つにまとめます。眼鏡店の例なら「痛くなる理由」と「店での直し方」を合わせて「困りごとへの答え」の列にする、という形です。
決めたことは運用ガイドラインに書き、担当が替わっても続くようにする
世界観は、決めた本人が担当しているうちは揃っていても、担当者の異動や退職で崩れます。オファシムは、決めた内容を運用ガイドラインとして文書にし、誰が投稿を作っても同じ見た目と順番になるようにしています。
ガイドラインに書く項目は次のとおりです。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| コンセプトの1文 | 誰のどんな場面に、自社の何を届け、何をしてもらうか |
| 3列のカテゴリーと順番 | 各列のカテゴリー名、投稿する順番、次に投稿するカテゴリーの確かめ方 |
| 色 | ベースの色と強調に使う色。ロゴとウェブサイトのどこから取ったか |
| フォント | 1枚目のタイトルに使う書体と太さ |
| 1枚目のテンプレート | すり合わせで合意した1枚目。写真とタイトルの差し替え方 |
| 写真の扱い | 暗い写真は明るさを上げてから使うこと |
| トーン | キャプションの言葉づかい |
| 扱わない話題 | コンセプトから外れるので投稿しない話題 |
| チェックの流れ | 原稿、画像、チェック、公開の順番と、誰が確認するか |
3列のカテゴリーと順番は、文章で書くだけでなく、次に投稿するカテゴリーをプロフィールで確かめる方法まで書いておきます。左上の投稿が「商品紹介」なら、次は「困りごとへの答え」です。担当が替わっても、プロフィールを開けば次に作るものが分かります。
担当者の個人スマホで作ったアカウントは、退職すると入れなくなることもあります。アカウントの持ち方はインスタの企業アカウントの作り方にまとめました。

揃っているかは、プロフィールに並ぶ直近12投稿で確かめる
世界観が揃っているかは、プロフィールを開いて、直近の12投稿を見て確かめます。12投稿は横3つ×縦4段で、週1投稿なら3か月分です。
確かめるのは次の5点です。
- 縦の3列が、それぞれ同じカテゴリーで揃っているか
- どの投稿も、1枚目を見ただけで何の投稿かが分かるか
- 暗いまま投稿された写真がないか
- 色とフォントが、ウェブサイトやロゴと同じ印象か
- 日常報告だけで終わっている投稿がないか
自社のスマホだけで見ると、見慣れているので崩れに気づきにくくなります。社内の、インスタの担当ではない人に見てもらい「何のアカウントに見えるか」を一言で答えてもらうと、ずれがすぐに分かります。
数字で見るなら、プロフィールへのアクセスと、そこからウェブサイトへ移動した数です。世界観を揃える目的は、プロフィールを開いた人に何のアカウントかを伝えて、次の行動に移ってもらうことなので、いいねの数では良し悪しが分かりません。オファシムの月次レポートでも、この2つを主に見ています。フォロワー数より先に問い合わせで見る考え方は、インスタでフォロワーを増やす方法でも書いています。
オファシムは世界観を契約前に合意し、ガイドラインとして文書にする
オファシムのSNS運用支援では、ターゲット像、世界観、投稿の軸、KPIをクライアントと合意してから契約を始めます。色とフォントの決定、1枚目のすり合わせ、3列のカテゴリーもこの段階で決めます。アカウントの立ち上げと初期の設計は月額プランに含めていて、初期費用は0円です。
| プラン | 月額(税込) | 世界観に関わる作業 |
|---|---|---|
| 投稿代行 | 66,000円 | 合意したテンプレートで週1投稿(月4本)を制作。画像選定と簡易加工(提供素材とストック画像) |
| 分析・内製化支援 | 88,000円 | 投稿テーマとトーンの改善提案、競合アカウントの分析 |
| セット | 154,000円 | 上の2つに加えて、月1回の定例と、投稿基準とトーンを決める運用ガイドラインの整備 |
写真をきちんと撮りたい場合は、撮影代行のオプションがあります。半日(4時間以内)55,000円〜、一日(8時間以内)110,000円〜です。スマホで撮った写真でも、明るさを整え、1枚目をデザインした画像にすれば、グリッドの統一感は十分に出せます。撮影を頼むのは、商品の写真そのものが投稿の主役になる業種から考えれば足ります。
プランの選び方と費用はSNS運用代行の進め方と費用相場に書きました。すでにアカウントがあって、今の見た目のどこから直せばいいか分からない場合は、無料のSNSアカウント診断から始められます。今の投稿とインサイトを見て、プロフィール、投稿の型、伸びている投稿の共通点から、先に直すところを3つお伝えします。




