インスタの企業アカウントの作り方は、操作だけなら10分で終わります。個人のアカウントを作り、設定から「ビジネス」のプロアカウントに切り替えるだけで、費用もかかりません。
困るのは、その10分をどのスマホと、誰のメールアドレスでやったかです。オファシムが引き継ぎの相談を受けたアカウントでは、前任の担当者の個人の電話番号で登録されていてログインできない、パスワードを何人もで回していて二段階認証を入れられない、取り戻せずに作り直してフォロワーを失った、という3つが実際に起きています。どれも、開設した日の選び方で防げたものです。
ここでは、Instagramヘルプセンターに載っている現在の画面名に沿って開設の6手順を書き、そのうえで担当者が辞めてもアカウントが会社に残る持ち方を説明します。これから社内でアカウントを作る担当者と、作り方を任せる立場の経営者の両方に向けています。
インスタの企業アカウントは、無料のビジネスアカウントで作る
インスタの企業アカウントとは、Instagramの「プロアカウント」のうち「ビジネス」を選んだアカウントのことです。作成も切り替えも無料で、インサイト(投稿ごとの閲覧数やフォロワーの内訳を見る分析画面)、プロフィールの連絡先ボタン、広告の出稿が使えるようになります。
Instagramのアカウントは3種類で、会社やお店が選ぶのはビジネスアカウントです。
| 種類 | 向いている人 | 非公開にできるか | インサイトと広告 |
|---|---|---|---|
| 個人用アカウント | 個人の利用 | できる | 使えない |
| クリエイターアカウント | 著名人、アーティスト、インフルエンサー | できない | 使える |
| ビジネスアカウント | 小売店、地域のお店、ブランド、組織、サービス事業者 | できない | 使える |
向いている人の区分は、Instagramヘルプセンターのプロアカウントの説明にあるとおりです。クリエイターとビジネスは後からでも切り替えられますが、店舗や会社の窓口として使うなら、最初からビジネスを選んでおけば切り替え直す手間がありません。
用語が多くて迷う場合は、インスタで押さえておきたい用語も合わせて見てください。
担当者の個人スマホで作ると、退職した日にログインできなくなる
企業アカウントは、会社のメールアドレスと会社の電話番号で、会社の端末から作ります。 担当者の個人スマホで、個人の電話番号を使って作ると、ログインの確認コードやパスワードの再設定がその人の手元にしか届きません。担当者が辞めたり異動したりした時点で、会社はアカウントに入れなくなります。
見落とされやすいのが、担当者の個人のInstagramから「アカウントを追加」で会社のアカウントを作るやり方です。Instagramヘルプセンターの新規作成の説明にあるとおり、既存のアカウントを使って新しいアカウントを作ると、両方が同じアカウントセンター(ログイン情報や二段階認証をまとめて管理する設定画面)に入ります。会社のアカウントが、担当者の個人のアカウントとひとまとまりで管理される形になります。
オファシムに来た引き継ぎの相談で、実際にあったのは次の3つです。
- 前任者の個人の電話番号で登録されていて、退職後に確認コードを受け取れずログインできなかった
- パスワードを複数の社員と前の代行会社で共有していて、誰がいつ投稿したか分からず、二段階認証も入れられなかった
- 取り戻す手続きが進まず、新しいアカウントを作り直した。それまでのフォロワーと投稿はゼロからやり直しになった
3つ目まで行くと、積み上げた投稿もフォロワーも戻りません。開設する前に、次の2つだけ決めておいてください。
- 登録に使うメールアドレス:個人名のアドレスではなく、sns@ のような会社の共有アドレス
- 登録と二段階認証に使う電話番号:会社で契約している携帯の番号

インスタ企業アカウントの作り方は、登録から切り替えまで6手順
インスタの企業アカウントは、新しいアカウントを作ってから、設定画面でプロアカウントの「ビジネス」に切り替えて作ります。手順は次の6つで、画面名はInstagramヘルプセンターのプロアカウント設定の手順に合わせています。
- 会社の端末にInstagramアプリを入れ、「新しいアカウントを作成」から始める(担当者の個人アカウントからの「アカウントを追加」は使わない)
- 会社のメールアドレスか会社の携帯番号を入れ、届いた確認コードを入力する
- 名前、パスワード、生年月日、ユーザーネーム(@から始まるID)を設定する
- プロフィールの「その他」から「設定とアクティビティ」を開き、「プロフェッショナル向け」の「アカウントの種類とツール」で「プロアカウントに切り替える」を選び、業種に近いカテゴリを選ぶ
- 「ビジネス」を選んで「次へ」を押し、問い合わせに使うメールアドレス、電話番号、住所を入れる(出したくなければ「連絡先情報を使用しない」で飛ばせる)
- 会社のFacebookページがあれば「Facebookにログイン」でリンクする(無ければ「スキップ」でよい)
13歳未満はアカウントを作れないので、生年月日は登録する担当者本人の実年齢で入れてください。ユーザーネームは社名やドメイン名に揃えます。お客さんが検索したとき、公式のアカウントだと見分けがつくからです。後から変えることもできますが、名刺や店頭のPOPに印刷してから変えると刷り直しになります。
Facebookページのリンクは任意です。リンクしておくと、Facebookへの投稿のシェアや、広告とショッピングの機能が使いやすくなります。
以前のInstagramは「プロフィールを編集」から切り替える画面でしたが、今は設定の中の「アカウントの種類とツール」に移っています。古い手順の記事どおりに探しても見つからないのは、このためです。
二段階認証は認証アプリで入れ、担当者の端末を2台以上つなぐ
二段階認証(パスワードのほかに、毎回変わるコードを入れないとログインできない設定)は、開設した日に入れます。企業アカウントでは、SMSではなく認証アプリを選びます。SMSは登録した1つの電話番号にしかコードが届かないためです。
認証アプリなら、Instagramヘルプセンターの複数デバイスの説明にあるとおり、1つのMetaアカウントの二段階認証に最大5台の端末をつなげます。担当者のスマホと、責任者や総務の端末の2台以上につないでおけば、1人が不在でもログインできます。人が替わったときは、その人の端末を外すだけ。
設定の場所は、設定の中の「Metaアカウント」(アカウントセンターと表示される場合もある)にある「ログインとセキュリティ」の「二段階認証」です。設定の途中で出てくるバックアップコードは、端末をなくしたときの最後の入り口になります。印刷して会社の金庫に入れるか、社内のパスワード管理の仕組みに保存してください。

複数人の運用は、パスワードでなくMeta Business Suiteの権限で回す
社内の複数人や外部の支援会社でアカウントを触るときは、パスワードを教えるのではなく、Meta Business Suite(FacebookとInstagramのビジネス機能をまとめて管理するMetaの無料ツール)で、人ごとにアクセス許可を出します。パスワードを共有すると、誰が投稿したか追えず、二段階認証のコードも全員に回さなければならなくなります。
仕組みは、会社としてのビジネスポートフォリオ(Meta Business Suiteの中で会社の持ち物をまとめる単位)にInstagramアカウントを登録し、そこへ社員をメールアドレスで招待する形です。支援会社には、会社ごと「パートナー」として許可を出せます。許可は任せる作業ごとに付けられ、外すのも管理する側の操作1つ。手順はMetaのビジネスヘルプセンターに載っています。
| 持ち方 | 所有者 | 担当者と支援会社に渡すもの | 人が替わったとき |
|---|---|---|---|
| パスワードを共有 | 分からなくなりやすい | パスワードそのもの | パスワードを変えて全員に配り直す |
| Meta Business Suiteで権限を渡す | 会社のビジネスポートフォリオ | 作業ごとのアクセス許可 | その人の許可を外す |
オファシムが運用を預かるときも、アカウントの所有者は依頼した会社のままで、預かるのは運用の権限だけです。契約が終わったら権限を外してもらえば、パスワードを変える必要もありません。代行会社と契約するときに確かめる項目は、SNS運用代行の選び方の契約書の章にまとめています。

プロフィールは開設日に、名前と150字の自己紹介とリンクを埋める
プロフィールは、投稿を見て興味を持った人が次に開く場所です。投稿を始める前に、名前、自己紹介、ウェブサイトのリンク、連絡先の4か所を埋めます。自己紹介はInstagramヘルプセンターの自己紹介の説明にあるとおり150文字までです。
150文字に入れるのは、何の会社か、どこで営業しているか、見た人に次に何をしてほしいか、の3つで足ります。たとえば福井市の工務店なら、「福井市で注文住宅とリフォーム」「施工事例を週1回更新」「見学会の予約はリンクから」の順です。
連絡先ボタンを付けると、ボタンを押した人全員に電話番号やメールアドレスが表示されます。個人の携帯番号は入れないでください。
オファシムの無料のSNSアカウント診断でも、最初に見るのはプロフィールです。投稿の型と、伸びている投稿の共通点と合わせて、先に直すところを3つお伝えしています。
ビジネスアカウントは非公開にできず、投稿は検索エンジンにも出る
ビジネスアカウントにすると、できなくなることが3つあります。Instagramヘルプセンターのプロアカウントの説明に書かれている内容です。
- 非公開にできない。非公開の個人アカウントを切り替えると公開になり、承認待ちのフォローリクエストはすべて自動で承認される
- Facebookページとリンクすると、Instagramの投稿をそのページ以外のFacebookページやプロフィールでシェアできなくなる
- 投稿やリール動画が検索エンジンの結果に表示される(設定でオフにできる)
3つ目は、企業にとっては得のほうが大きい項目です。社名や商品名で検索した人の目に、Instagramの投稿が入る可能性があります。逆に言えば、社外に出せない写真や、お客さんの顔が写った写真は、Instagramの中だけでなく検索結果にも出るつもりで扱います。
社員の個人アカウントのように身内だけに見せる使い方はできません。社内向けの共有は、Instagramとは別の手段で行ってください。
開設から3か月で、誰に何を届けるかと投稿の型を決める
アカウントを作った後の最初の3か月は、フォロワーの数より、誰に向けて何を投稿するかと、投稿の型を固める期間です。オファシムのSNS運用支援では、週1投稿を続けた場合、3か月で方向性が固まり、6か月でリーチやサイトへの移動の数字が動き、12か月で問い合わせや売上に表れるのを標準的なペースとしています。
運用が止まっていた地域の小売店のアカウントでは、世界観を決め直して週1投稿を再開し、半年で24本を出してフォロワーが2.5倍になりました。来店したお客さんから「Instagramを見た」と言われる回数も増えています。開設したばかりのアカウントでも、最初に決めることは同じです。このとき世界観をどう作り直したか(グリッドの縦3列にカテゴリーを決める方法)は、インスタの世界観を統一する方法に書きました。
最初の3か月で決めるのは、次の3つです。
- アカウントの目的(問い合わせ、来店、採用のどれを増やすか)
- 届ける相手(年代、地域、その人がInstagramで探しているもの)
- 投稿の型(施工事例、商品の使い方、スタッフ紹介など、繰り返し出せる形)
届ける相手は、年代や地域より先に、その人がどんな場面で困っているかから決めると投稿が書きやすくなります。決め方はインスタ運用のペルソナ設計にまとめました。届ける相手に何を投稿するかは、コンセプトの1文の書き方で決められます。
同業のアカウントがどんな型で投稿しているかは、インスタの競合分析の手順で調べられます。3か月が過ぎてフォロワーを増やす段階に入ったら、インスタでフォロワーを増やす方法に進んでください。
オファシムは立ち上げを月額プランに含め、名義は依頼した会社のまま
オファシムのSNS運用支援では、アカウントの立ち上げと初期設計も月額プランの中に入っています。単発の料金はありません。届ける相手と世界観の設計、プロフィールの見直しから始めて、そのまま運用に入ります。投稿の基準とトーンを文書にする運用ガイドラインの整備は、セットプランに付きます。
| プラン | 月額(税込) | 向いている会社 |
|---|---|---|
| 投稿代行 | 66,000円 | 数字を見る人は社内にいるが、投稿が回らない |
| 分析・内製化支援 | 88,000円 | 投稿する人はいるが、方針を決める人がいない |
| セット | 154,000円 | どちらもいない、または担当が兼務で手が回らない |
初期費用はどのプランも0円で、最低契約期間はありません。毎月目標と結果を確かめて、翌月も続けるかをそのつど決めてもらっています。アカウントの名義は依頼した会社のままで、オファシムが預かるのは運用の権限だけです。セットでは運用ガイドラインと引き継ぎ資料を作るので、担当者が異動しても運用が止まりません。
どこまで自社でやり、どこから頼むかの考え方は、SNS運用代行の業務内容と費用相場に書いています。すでにアカウントがあるなら、契約の前に無料のSNSアカウント診断で、今の投稿とインサイトから先に直すところを3つ確認できます。プランごとの作業範囲はSNS運用支援のページで確かめてください。




