仕事柄、いろんな企業の商号(名前)を見る機会が多々あります。
ふと気になったのが、「株式会社〇〇」「〇〇株式会社」という2パターンの株式会社があること。株式会社が前にあれば前株(まえかぶ)、後ろにあれば後株(あとかぶ)、後ろ株(うしろかぶ)といいます。
ちなみに、弊社は「株式会社オファシム」の前株です!
それぞれ何かしらの決定基準があるのか?と調べてみれば、実際は何もない!とのこと。
「なら、どんな違いがあるのか?」
と気になり、調べてみました。
違いはズバリ「設立者のセンス」
株式会社は、設立時に法務局へ登記をする際、商号に「株式会社」という4文字を加える必要があります。特に前後の場所は決まりがなく自由!社名の中間につけても良いそうです。
また、2006年の会社法施行により、類似商号規制が緩和。住所が同じでなければ、すでに登記されている会社と同じ名前で登記できるようになりました。
他会社との誤認を目的につけた場合は、損害賠償を請求される可能性があり注意が必要です。でも、会社の名前は、わりと自由なイメージ!前株と後株どっちにしようかな?と悩んでも、「どっちでもOK!センスに任せる!」なんですね。
とはいえ、会社の大切な「顔」である社名。1回登記すると変更が難しいので、失敗したくありません。
では、それぞれどういった傾向があるのかを見ていきましょう!
前株(まえかぶ)
前株は社名よりも前に置いており、「株式会社」として運営をしていることが強調できます。比較的新しい企業に多いのだとか。
たとえば、
- 株式会社セブンイレブンジャパン
- 株式会社LIXIL
- 株式会社タカラトミー
などがあります。
そもそも、株式会社は株式を発行して投資家から資金を調達して事業活動を行う会社のこと。以前は、設立に1,000万円の資本金が必要で、とてもハードルの高い企業形態でした。
でも、会社法の施行により資本金1円で設立が可能に!取締役の人数も4人→1人で良いことになり、今は株式会社の設立が簡単になったんです。
アルファベットやカタカナの社名が目立つようになってきた現代。これらは「株式会社〇〇」のほうが聞こえが良いため、比較的新しい会社は前株を取ることが多いといわれています。
後株(あとかぶ)・後ろ株(うしろかぶ)
戦前から続いている老舗の企業は、後株が多いといわれています。そのため、後株の会社は創業からの歴史が長く、伝統がある老舗ブランドというイメージをもたれやすいそうです。
また、株式会社よりも社名を先に見るため、社名が認識されやすくなります。商品名・サービス名として社名を使っている会社は、おまけで株式会社をつけているだけなのかもしれません。
たとえば、
- 楽天株式会社
- カルビー株式会社
- シチズンホールディングス株式会社
など。人は文字を「ひだり」から見ることが多いので、後株は社名を強調しやすいんですね。また、会話の中で「〇〇株式会社」と聞くと社名が聞き取りづらかったりもします。「あ、会社の名前か!」といった感じ。
前株・後株の決め手となるポイント
ここまで見てきた結果、前株・後株を選ぶときのポイントは何なのかを考えてみました。
前株は、
- 「株式会社」での運営を強調。
- 「大きな会社」「現代的」というイメージ。
一方、後株は、
- 「社名」を強調。
- 「老舗・伝統がある」というイメージ。
さらに、商号と合わせて見比べたときに、
- 言いやすい。
- テンポ・リズムが良い。
- 字面が良い。
と、しっくりくるというのが決め手のポイントになるのではと思います。
会社の「顔」を大切にしよう!
「株式会社」の入れる場所は、決まりがなくほぼ自由だということがわかりました。とはいえ、社名は会社の「顔」。自分が勤めている社名は大切に扱いたいですよね!
お客さまへ書類を提出するときや郵便送付状を送るときは、株式会社の箇所を前後間違わないように注意。また、(株)と略すのも失礼にあたります。
良い取引ができるためにも、前株・後株の違いについて「あ、こんな違いがあるのか~」と、頭の隅っこで知っておいてくださると幸いです!
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